クロアチアの俳句

 「わたしたちの地球と未来 クロアチア共和国」という冊子がある。作成したのは「公益法人 愛知県国際交流協会」の「2011年度教材作成チーム」。

 
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 冊子はA4の大きさで40ページほど。題名でもわかるようにクロアチアという国の紹介が主な中身。カラー写真をふんだんに使い、活字やレイアウトもわかりやすく、とっつきやすくなっている。対象は小学生から大人までといったところか。

 この冊子に世界俳句協会がどう関わっているのかというと、「へえ~!クロアチアと日本」という章で、クロアチアと俳句との関係に触れるのに、例として載っているクロアチア語の俳句の出所が、世界俳句協会のホームページだったということ。こちらがその俳句。

 
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 クロアチアでも俳句に親しみ、作る人がたくさんいるのは事実で、世界俳句協会の会員になっている人も多い。その理由を、この冊子では「クロアチア内戦で傷ついた人々の心のケアに俳句が有効であるとして、クロアチア俳句協会が俳句の普及に力を入れた」とあるが、これはあまりにも一面的な捉え方だ。また俳句とはどういうものと考えられているかということでも「俳句はひらがなでというわけにはいかないので、クロアチア語の母音で五・七・五の韻を踏みます」というのは、なんだか無理なこじつけのようで納得しかねる。

 クロアチアに俳句を広めクロアチア俳句協会の初代会長でもあったウラディミール・デヴィデさんは、クロアチアでも有数の理数系の学者で日本でも暮らしたことがある人。その人が語る俳句の魅力は、「生命の歌のキスを記録すること」(「吟遊」第17号)で、「詩の中でも最も詩的な形式である」(同)ということだった。かなり抽象的だが、俳句を詩形式として捉えているのは確かだ。

 つまりデヴィデさんが俳句を祖国で広めたかった理由は、心のケア(結果としてそうなったかもしれないが)としてとか、クロアチア語の母音で五・七・五とかではなかった。

 日本での俳句の理解は、季語と日本語で五・七・五で表されたもので止まっていることが多い。この考えに沿ってクロアチアの俳句を説明しようとすると、冊子のようになってしまうのだろう。季語については無理があるので触れていないようだが・・・

 海外では俳句は詩と捉えられているのに対して、日本ではその辺りの認識が弱いのかもしれない。俳句は詩的形式。デヴィデさんの言葉を、改めて捉えなおしたいと思う。



 
 

 

 

 



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