今日の一句 コスモスの花ゆれて来て唇に 星野立子

 今日は久しぶりに俳句。

 コスモスの花ゆれて来て唇に 星野立子 『続 立子句集 第一』より 

 
 コスモス ピンクjpg.jpg

 コスモスの可憐な花がゆれて唇に触れた、あるいは触れそうになった。この時、コスモスの花はどこにあったのだろう。庭に咲いていた。もっと広い草原に咲いていた。いや、そうではなくて立子の家の花瓶の中にあった。もしかしたら、花瓶でもなく、立子自身が手で握っていたのかもしれない。

 いずれにせよ、ここにあるのは、立子のコスモスを見つめる眼差しだ。それもコスモスを大事に思い、包み込むようなまなざし。

 かわいい。きれい。すてき。コスモスから離れがたく思っていた立子。その時、コスモスがゆれたのだ。それもただ揺れたのではなく、揺れて来たのだ。見つめる立子の見つめる立子の唇に。立子の思いが伝わったとでも言いたいようなコスモスの動きだった。立子の思いに応えて、何か告げているような揺れだった。

 この時の立子とコスモスの間には、何かがあったのだろう。たとえばこれがもし人間どうしだったなら、恋の芽生えを思う。いや、まさか、相手はコスモスでしょ?

 だが、立子の使った「唇に」という言葉は、コスモスの揺ればかりか、こちらの心の揺らぎまで誘ってしまったのだった。

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